当社では、鉄製品やステンレス製品で溶接構造物を製作したあとに溶接熱影響の応力除去を目的に焼鈍処理を施してから金属機械加工をしています。
- ステンレス製マグネット架台
SUS304製
ステンレスTIG溶接製品を製品全体を炉に入れています。
鉄の焼鈍処理よりも高い温度で熱処理をしています。
溶接部の応力を除去して焼鈍処理後2次金属機械加工をしています。
側面部のフランジ部分はシート面加工しています。
ステンレスを熱処理をすると写真のような黒茶色に変色します。 - ステンレス製マグネット架台用部品
本製品は上下部を厚板で中間部が丸パイプの溶接構造です。
製品全体を溶接後に熱処理をしています。
機械加工後の精度にばらつきがないようしてあります。
焼鈍処理後横形マシンニング加工をしております。
SK5の素材をファイバーレーザー加工をして、ベンダーで曲げ加工をしたものを熱処理をしてあります。
熱処理には、焼入れ、焼もどし、焼なまし、焼ならしなど加工方法があります。
鋼を約700℃まで加熱すると、結晶構造や性質の変化がはじまり、性質変化を変態といいます、変化がはじまる温度を変態温度といいます。変態温度を超えると鋼は軟らかいオーステナイトと呼ばれる組織に変化していきます。変態温度まで加熱した鋼を約550℃まで冷却をすると、硬いマルテンサイトという金属の組織が変化します。
熱処理において加熱温度と冷却速度、温度がとても重要です。
鋼材は普通鋼と特殊鋼に大きく分けることができます。普通鋼は炭素鋼ともいいます、5大元素の炭素(C)、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、イオン(S)が含まれています。特殊鋼はクロム(C)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、パナジウム(V)などの元素を添加し,熱処理を加えたものをいいます。元素を添加しているので合金鋼ともいいます。
特殊鋼は添加する元素により、耐食性、耐熱性、耐摩耗性、粘り強さ、強度、硬度等の金属特性を向上させられる。
焼鈍処理は焼なまし処理ともいいます。多くの種類と目的があります。下記のような目的に応じて焼鈍の方法を選定します。
1、鋼の軟化
2、内部応力の開放と除去
3、炭化物の球状化
4、成分元素や不純物の均一化
焼鈍処理には下記の熱処理方法があります。
1、拡散焼きなまし
2、完全焼きなまし
3、球状化やきなまし
4、歪取り(応力除去)焼きなまし
等があります、それぞれに特徴があります。
当社では、溶接後の熱影響部や溶断熱影響部の除去に歪取り(応力除去)焼きなまし処理をして金属機械加工をしております。