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特殊鋼の熱処理と溶接構造物や素材溶断加工の焼鈍処理について

熱処理について

熱処理とは金属を加熱し冷却して金属の性能を向上させる加工技術を熱処理といいます。金属を向上させる性質は強さ、硬さ、粘り、冷間加工性、被削性、耐腐食性、耐摩耗性、耐衝撃性等があります。

熱処理には、焼入れ、焼もどし、焼なまし、焼ならしなど加工方法があります。
鋼を約700℃まで加熱すると、結晶構造や性質の変化がはじまり、性質変化を変態といいます、変化がはじまる温度を変態温度といいます。変態温度を超えると鋼は軟らかいオーステナイトと呼ばれる組織に変化していきます。変態温度まで加熱した鋼を約550℃まで冷却をすると、硬いマルテンサイトという金属の組織が変化します。
熱処理において加熱温度と冷却速度、温度がとても重要です。

鋼材は普通鋼と特殊鋼に大きく分けることができます。普通鋼は炭素鋼ともいいます、5大元素の炭素(C)、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、イオン(S)が含まれています。特殊鋼はクロム(C)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、パナジウム(V)などの元素を添加し,熱処理を加えたものをいいます。元素を添加しているので合金鋼ともいいます。
特殊鋼は添加する元素により、耐食性、耐熱性、耐摩耗性、粘り強さ、強度、硬度等の金属特性を向上させられる。

焼鈍処理は焼なまし処理ともいいます。多くの種類と目的があります。下記のような目的に応じて焼鈍の方法を選定します。
1、鋼の軟化
2、内部応力の開放と除去
3、炭化物の球状化
4、成分元素や不純物の均一化

焼鈍処理には下記の熱処理方法があります。
1、拡散焼きなまし
2、完全焼きなまし
3、球状化やきなまし
4、歪取り(応力除去)焼きなまし
等があります、それぞれに特徴があります。

当社では、溶接後の熱影響部や溶断熱影響部の除去に歪取り(応力除去)焼きなまし処理をして金属機械加工をしております。

焼鈍処理後に金属機械加工を施した製品

当社では、鉄製品やステンレス製品で溶接構造物を製作したあとに溶接熱影響の応力除去を目的に焼鈍処理を施してから金属機械加工をしています。
  • ステンレス溶接構造の溶接熱応力除去の焼鈍処理をした製品の側面の写真

    ステンレス製マグネット架台
    SUS304製
    ステンレスTIG溶接製品を製品全体を炉に入れています。
    鉄の焼鈍処理よりも高い温度で熱処理をしています。
    溶接部の応力を除去して焼鈍処理後2次金属機械加工をしています。
    側面部のフランジ部分はシート面加工しています。
    ステンレスを熱処理をすると写真のような黒茶色に変色します。
  • ステンレス溶接構造の溶接熱応力除去の焼鈍処理をした製品の上面の写真

    ステンレス製マグネット架台
    TIG溶接後に焼鈍処理後2次横中ぐり盤加工をしました。
    平坦度30μの製作仕様製品です。
    3次元測定機により測定をして測定検査書を添付して納品しました。
    溶接部の応力を除去し安定した表面を金属機械加工して加工後の加工精度を図面指示範囲に仕上げております。
  • ステンレス溶接構造の溶接熱応力除去の焼鈍処理をした製品

    ステンレス製マグネット架台用部品
    本製品は上下部を厚板で中間部が丸パイプの溶接構造です。
    製品全体を溶接後に熱処理をしています。
    機械加工後の精度にばらつきがないようしてあります。
    焼鈍処理後横形マシンニング加工をしております。

大畠製作所の特殊鋼熱処理と溶接構造物等の焼鈍処理について

当社では、金属加工製品の設計図面・製品仕様に基づいて加工金属を加熱・冷却して硬度や性質を変化させる金属熱処理を施しての製品製作につてもお受けしております。
焼きなまし、焼きならし、固溶化熱処理、サブゼロ処理、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等様々な熱処理に対応しています。
金属溶接構造物は応力除去(焼鈍処理)をして金属機械加工を行います。

S45C溶接後真空熱処理後の金属機械加工した製品

S45C溶接後の真空熱処理をして製品

S45C製ブラケット
S45Cの溶接構造の2次機械加工品でS45CをTIG溶接をしています。溶接後に真空熱処理をしています。
真空熱処理は装置内を高真空にすることで、酸素分圧が下がり材料表面に酸化等を起こさない保護雰囲気をつくり、製品は光沢をもった状態に仕上げります。

 


SK5の熱処理製品の事例

SK5の熱処理製品事例

SK5の素材をファイバーレーザー加工をして、ベンダーで曲げ加工をしたものを熱処理をしてあります。


金属熱処理のことは当社にご相談ください

当社は製作図面の仕様に応じて高周波焼入、真空熱処理等の各種熱処理が対応可能です。
金属溶接構造後の金属機械加工をする2次加工製品においては、焼鈍処理の溶接熱の応力除去は欠かせない工程です。
金属溶接構造の2次機械加工の指示がある製品は、溶接後に焼鈍処理を施して溶接応力を除去してから金属機械加工をすることが可能です。


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